株式投資のメモ

株式投資のリサーチをしていて発見したことをコラムにしています。IRイベントや個別銘柄の個人的レポートなど。頭の整理を兼ねたメモです。※個人の感想です。ケアレスミス多め

動画広告って期待できるの?AMN(6573)はテンバガー銘柄になれるのか

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決算シーズンがはじまったりして、すっかり久しぶりになってしまいました。

今回は、ずっとタイミングを見計らっていた銘柄、アジャイルメディア・ネットワーク(6573)をご紹介したいと思います。

 

私がこの銘柄に出会ったのは、ブリッジサロンの個人投資家説明会でした。行ったことがあるひとはご存じのように、このイベントの参加者は年齢層が高く、ひとつ前に登場した一家ダイニングプロジェクトの社長の話術に会場は大うけしていました。

そのあとに登場したのが、このアジャイルメディア・ネットワークです。

※参考:"2019年8月個人投資家向け説明会『プレミアムブリッジサロン』

 

一家の説明会とは打って変わった静けさの中、淡々と説明される事業内容に聴衆のほとんどの反応は「ぽかーん…」としていました。

 

最前列のおじいさんが「ネットなんてわかんねーよ」と小さくつぶやく声も聞こえるなか、会場でわたし一人(?)が前のめりで聞いていました。

その理由はもちろん、買収したばかりの動画広告事業があったからです!

 

アジャイルメディアのメイン事業

動画広告事業の話題に入る前に、まずはメインのアンバサダー事業についておさらいしておきましょう。

「ネスカフェ アンバサダー」でおなじみのこの事業は、言ってみればインフルエンサー広告の走り。SNS等の口コミを活用して、企業の応援団を演出しようというものです。

ネスカフェ ドルチェグスト

ネスカフェ ドルチェ グスト

 

 SNSの口コミを活用したインフルエンサー広告は、いまでこそレッドオーシャンですが、AMNはSNS広告の老舗だけあって大手の顧客をつかんでいます。この点は小さな非上場企業が、今から食い込んでいくのはなかなか厳しいので強味となりそう。かつ、新規事業の売り込み先としても有力です。

 

これはあくまで個人的な印象にすぎませんが、アンバサダー事業は内容から考えて、掛かるコストが大きそうです。個人のインフルエンサーは無料で動いているとはいうものの、動員するためにはインセンティブが必要です。ネスカフェアンバサダーのように関連してテレビCMなどを打つ場合もありますし、企画はワンパターンでも全体ではそれなりの規模になると予想されます。

少なくとも、昨今増えているTwitterやInstagramを使ったSNSキャンペーンのように、LP1枚+インセンティブでSNS拡散させて終わりという、1本数十万円レベルで行えるようなカジュアルな企画ではありません。

 

結果、アンバサダープログラムを使えるような規模の広告予算を持った大手企業はそれほど数が多いわけでもなく、創業から十余年を過ぎた今、成長が伸び悩んだのも納得(確認してないので想像)です。

 

アジャイルメディアのこれまでの株価

アジャイルメディア・ネットワーク(6573) SBI証券

アジャイルメディア・ネットワーク(6573) SBI証券

株価は当然ながら、初値の5,156円から翌月に少し高値を付けただけで、約2年間かけて5分の1以下にまで下げ続けることとなりました。このままでは、まさに上場ゴール。

そんななか、ついに新たな動きがあり、まんじしで登場したのがブリッジサロンだったのではないかと妄想しています。その内容は…

 

まずひとつめに、動画広告の製作会社である「クリエ・ジャパン」を子会社化しました。

クリエ・ジャパンが作成するパーソナライズド動画は、説明会後に見せてもらいながら受けた説明によると、エクセルのようなものに個人に合わせた数値や文言を入力し、個人に合わせてアレンジした動画を送信できるというものだそうです。

「PRISM(プリズム)」による動画配信の仕組み

「PRISM(プリズム)」による動画配信の仕組み

プリズムの動画配信に注目した理由

シンプルな作りの動画ですが、説明会では個人に合わせた内容を売り込むことができるため、保険の売り上げなどに大きな結果がでたという発言がありました。なにより、内容をパーソナライズするにもかかわらず、たいしたコストがかからなそうなところが魅力的です。

低予算でできる広告なので市場が広げやすく、かつ結果がでるということは、売上が小さくとも、それなりに大きな利益を得られる可能性があります(あくまでイメージです)。

◆導入実績(一例)
[保険会社]
導入内容:契約更新時の案内に利用者の属性データを元に最適化した特約付帯促進の動画を配信しアップセル実施
結果:動画未配信層と比較して継続率が2倍以上に向上
[ヘアサロン]
導入内容:新規顧客の再来店促進や休眠利用者へ来店喚起を目的に、スタイリストが担当の顧客に対してメッセージ付き動画を配信しスタイルを提案。
結果:パーソナライズド動画を視聴した顧客の30~50%が再度来店
[エンターテイメント企業:ソーシャルゲーム]
導入内容:ゲームを利用するユーザーの活性化を目的に過去の利用状況やゲームデータを用いてゲームに登場するキャラクターやセリフの内容が変化する動画を提供
結果:数万人に向けて配信した結果SNSで多くの二次拡散が行われた。

ふーん…でもこれ、どうせならさっさとプラットフォーム化しちゃえばいいのに…そうしないと簡単にマネされそう。特許出願してるけど、いまどき特許の時代でもないでしょって思うけど。別にどっちでもいいんです。なぜなら、今の株価はなけなしの本業の利益をM&Aと業務提携に吐き出しきった、最底辺の評価なのだから…!

※参考:AMN、パーソナライズド動画生成のクリエ・ジャパンを子会社化(2019年6月26日公開)

 

と思ったら、7月に業務提携したフラッグシップオーケストラは動画プラットフォームを展開…?この資料では低コストっていうことしかわからないけど、これは楽しみかも。

※参考:大量の動画制作が可能なフラッグシップオーケストラ社と業務提携(2019年7月23日公開)

 

これが、どの程度うまくいくかは、まず、11月8日に予定されている3Q決算を見る必要があります。ただし、2Qまでにこれらの買収費用などで利益はマイナスになっているので、今期決算はトントンを目指すというのが会社予想です。

わたしも今期の黒字化はまったく期待していません。が、それだけに、あればサプライズです。

 台湾の子会社でなにをする予定なのか…

そしてもうひとつの変化の予兆。これは結果が出るまでに時間がかかると思うのですが、台湾に設立した子会社です。リリースをさかのぼってみると、今年の2月から動き始めているようですね。

ここまでですっかり長くなったので超圧縮して説明すると、こっちは物販系の事業です。先週のリリースもこちらがらみの内容だと思います。

※参考:AIカメラで来店客の顧客分析から店内の売場貢献成果が分析可能に ~国内外2,250店舗が導入するAIカメラ分析SkyREC社と業務提携~(2019年11月1日公開) 

 

ブログを書くタイミングを見計らっていたのにも理由がありました。まず、毎日10,000株前後しか売買されない板薄銘柄であること。そしてもうひとつ、個別ヒアリング中に上田社長が「まだ言えないことがあるんですけどね…」と、とてもうれしそうに言ったことです。

 

この「言えないこと」というのがおそらく、先週のリリースだったのではないかと勝手に思っています。

 

こっちの事業は、また動きが具体的に見えてきたら続報を書いていこうかな。

 

これらの施策が順番にでも全て成功すれば、現時点での時価総額がたった20億しかないので、テンバガーなんて余裕で超えていくんだろうとは思いますが…目標株価については、来期以降の数字を追いかけながら考えていきたいと思います。

まだ何の結果も見えてない状況ではありますが、まずは動画広告事業について、将来性のあるいい事業内容だと個人的に期待しているので、長い目で応援していきたいです。