株式投資のメモ

株式投資のリサーチをしていて発見したことをコラムにしています。IRイベントや個別銘柄の個人的レポートなど。頭の整理を兼ねたメモです。※個人の感想です。ケアレスミス多め

メガFCへ華麗なる変身を遂げるのか?幸楽苑HD(7554)変化のワケとは

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久々の更新は、最近なんだかんだ話題の多い飲食業界です!

直近の決算では、不採算店舗を閉じて減損するところが多かったように感じます。そんななか今回は、人気店のFCに参入する幸楽苑HD(7554)を紹介しようと思います。

らーめん幸楽苑

らーめん幸楽苑(公式サイトより)

愛読している「<ロードサイドのハイエナ> 井戸実のブラックメルマガ」(毎週水曜発行)の9月11日号で、幸楽苑がFC業態へ変化することについて言及がありました。

その後、「ガイアの夜明け」(テレビ東京)で焼肉ライクの海老名店オープンの様子をみて、いろいろと思うところがあり調べてみることにしました!

 

幸楽苑HDが、もともとラーメン店を展開していることは知っていたのですが、FCを始めてから認識するようになったので、最初から飲食店のFCも事業としてやっている会社だと思っていたんですね。

でも実は、ラーメン店の不採算店舗を素早く最近の流行店舗に転換するため、FCを導入したんだということにここではじめて気づいたのです。

 

そのFC第一弾が、2017年12月(発表は10月末)のいきなりステーキでした。そして、冒頭の焼肉ライクのFC契約を2018年12月に発表、FC1号店となる海老名さがみ野店が19年8月20日のオープンとなっています。

さらに2019年9月には、アークランドと提携して、からやまのFCを始めることを発表しています。

 

これらのニュースを見て、まず思ったのが「FC店舗のセレクトがいいなあ」ということ。プロが選定しているから当然!とも思えなくはないですが、意外とそうでもないのが現実です。

いきなりステーキ!は少しタイミングが遅かった印象があるものの、これは最初だから致し方なしと捉えれば、その後速やかに、当時最先端の焼肉ライク、話題のからやまと、立て続けにブランドを追加しているところが秀逸です。

 

それを踏まえて、株価の推移を見てみると、いきなりステーキのFCを始めることを発表した17年10月に一度大きく反応していますね。

※参考:株式会社ペッパーフードサービスとのフランチャイズ契約締結に関するお知らせ (2017年10月27日発表)

幸楽苑HD(7554) 月足 SBI証券

幸楽苑HD(7554) 月足 SBI証券

その後、すぐに戻したものの、18年9月を境に順調に上昇しているのがわかります。この経緯を追ってみたいと思います。

 

まずはここ10年ちょっとの数字を見てみましょう。売上は比較的順調に推移しているものの、13年3月期から悪化し始めた営業利益がついに18年3月期に赤字となっています。

マネックス証券 銘柄スカウター

マネックス証券 銘柄スカウター

そこで、2018年3月期の本決算短信(2018年5月11日公開)をみると、このように書いてありました。

経営資源の効率化及び収益性の向上を図るべく、今後の長期的な成長が見込めない店舗の閉鎖並びに京都工場の譲渡、セール・アンド・リースバックによる資産の活用、連結子会社との合併(簡易合併・略式合併)を実施いたしました。

(略)

さらに店舗資産等の将来の回収可能性を検討した結果、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき減損損失2,838百万円を計上したことにより親会社株主に帰属する当期純損失3,225百万円(同当期純利益154百万円)となりました。なお、当連結会計年度末のグループ店舗数は538店舗(前連結会計年度比8店舗減)となりました。

不採算店舗の減損により、2,838百万円の 損失を計上。そして不採算店舗がなくなったことで、翌19年3月期からは利益が格段に向上しています。

 

株価も、その後約4ヶ月間の調整を経て上昇へ。7月27日に公開された19年3月期1Q短信では営利の通期予想が629百万円でしたが、10月26日公開の2Qで992百万円に122.0%の上方修正をしています。FCはまだオープンしていませんから、ここまでは不採算店舗整理やコストの見直しが寄与しての改善となっています。

この辺りで、株価が上昇方向に変化したのがわかります。

 

最後に、直近の決算を確認しておきましょう。気になるのはもちろん、FC店の状況です。

② その他の事業
その他の事業は、フランチャイズ事業(ラーメン業態のフランチャイズ展開)、その他外食事業(洋食業態の店舗展開)を行っております。
フランチャイズ事業につきましては、店舗数は18店舗(国内13店舗、海外5店舗)となり、その他外食事業につきましては、「資産を活用したマネタイズ(収益化)」の施策として、「いきなり!ステーキ」直営店16店舗、「焼肉ライク」直営店1店舗を運営しております。
この結果、その他の事業の売上高は849百万円(前年同期比20.3%増)となりました。

出典:2020年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2019年7月26日発表)

 売上はラーメン事業の10%弱というところでしょうかね。セグメントも分かれておらず、利益が出るところまではまだ進んでいないのでしょう。これからに注目です。

 

さらにこの6月には、店舗のマネジメントやメンテナンスをする子会社も設立しました。

①プロパティマネジメント業務
店舗の開発から転貸、閉店業務までのトータルマネジメント 等
②ファシリティマネジメント業務
清掃や衛生管理、廃棄物処理等のビルメンテナンス 等

出典:子会社の設立に関するお知らせ (2019年4月26日発表)

 

いま注目している、もう一つの某外食銘柄もそうなのですが…この変化の陰に、このニュースありです。開示を遡って探してみたら、やっぱりありました!それは、代表取締役社長の交代です。

※参考:代表取締役の異動及び役員等の異動、組織変更に関するお知らせ(2017年5月12日)

 

交代から、だいたい1年くらいですかね。明らかな変化が見えてくるのは…。

 

うふふ、もう一つの某外食銘柄は最初から乗っかってく予定なので楽しみです☆改革が成功しようが失敗しようが、不採算店舗減損からの回復だけで底から倍は固いでしょう()

株価も業績も、幸楽苑みたいに成長するといいなあ…。