株式投資のメモ

株式投資のリサーチをしていて発見したことをコラムにしています。IRイベントや個別銘柄の個人的レポートなど。頭の整理を兼ねたメモです。※個人の感想です。ケアレスミス多め

ワークマン(7564)次の一手は、専門店戦略と?格安ファッション業界の新たなブルーオーシャンへ

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 今日は、有給をとって日経XTREND FORUM2019に参加してきました。

日経XTREND FORUM

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そこで今回は、最初に受講した「ワークマンがデータ活用で描く新業態戦略」についてレポートしたいと思います。

 

本日の講演に登壇されたのは、ワークマンの専務を務める土屋さんです。

作業服最大手のワークマンは、昨年9月に新業態「ワークマン プラス」の一号店を立川にオープンし、大きな話題となりました。その後続々と店舗数を増やし、20年3月までに77店舗をオープンする予定です。

 

そもそも作業服業界では、リーマンショック後の不況で作業服の会社支給がなくなり、かっこいい作業服が求められるようになりました。業界各社がかっこいい作業服づくりに邁進するなか、ワークマンはこの動きに乗り遅れたといいます。

そこで目を向けたのが、「客層拡大」という方向性でした。

 

業界最大手であるワークマンが、このまま作業服だけを販売していた場合、売上は1,000億円で限界迎えてしまいます。

この限界を乗り越えるため、“同じ製品を違うお客さんに売るという戦略を立て、既存アイテムからアウトドア向けのアイテムを切り出してアウトドア専門店としたのがワークマン プラスです。

 

ワークマンのプライベートブランドは、現在、全1700アイテムあります。そのうち、ワークマン プラスで展開するのは、たったの320アイテム。今後はさらに、180アイテムに縮小していきます。

ワークマン プラスは、既存店の広告塔というのがその位置づけです。

日経XTREND FORUM2019

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この1700アイテムからアウトドア以外のアイテムを切り出し、ほかにもいくつかの専門店を作ることが可能だということです。

この専門店戦略で、ワークマンは今後も、格安ファッション業界のブルーオーシャンへと打ち出していきます。


デカトロンの衣料販売データをベースに日本市場に換算して、低価格機能性アパレル分野において、4,000億の空白市場のうち1,000億はとれると試算しています。

日経XTREND FORUM2019

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ワークマンが機能性アイテムを低価格で販売できるのには理由があります。

 

ワークマンのアイテムは10年安定補給が基本。それは、作ったアイテムが余っても翌年以降も販売し続け、セールをすることなく定価で販売できるからです。そうすることで、Amazonに値段で負けないことが可能になります。

高機能素材を使用すれば、もちろん材料費は高くなりますが、セール販売をしないことで利益率をキープしています。

日経XTREND FORUM2019

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1年目の新作は少なめの5万着程度、これを売り切ると、翌年以降は改良しながら±15%製造予測に合わせて製造枚数を決定します。

とはいえ、他社にマネされれば売上は落ちるので、企画の段階からおいつかれないクオリティを厳守しています。


ここまで、ワークマン プラスの開発によって、間口の広がりと取材による知名度アップで既存店売上のアップに成功しました。

そんなワークマンが打ち出す次の一手は、インフルエンサーコラボです。

日経XTREND FORUM2019

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今後50アイテムほどを企画し、ワークマンとインフルエンサーで認知度を相互成長しながら施策を進めていくということです。

 

おまけ情報としては、株主に向けたメッセージとして「社員一人辺りの時価総額を小売りで一番に」という目標を掲げているそうです。

 

また、社員に向けてのメッセージとして、5年で100万円の年収ベースアップを今期実現したので、次は4年で100万円を掲げるとのこと。数年前に給料のベースアップが話題になったときも、月額数千円程度だったので、この増額はかなり大きいですね。

わたしもワークマンに転職したいです()。

 

講演の本来の目的はデータ戦略だったのですが、それ以外が面白すぎて…その部分に関しては「ああ、ワークマンって意外にIT先進企業なんだ」くらいの感想しかありません。

ここも省人化や生産効率化など、コスト削減・売上増進などに役立っているとは思うんですけどね。どこをとっても、ワークマンの今後の成長が楽しみになるお話でした。