人材不足は相変わらずのようですが、求人広告の業界では、わたしが以前から想像していた変化がすでに起こり始めている気配を感じました。そこで、今回は求人広告関連についてまとめておきたいと思います。
まず、求人広告のビジネスモデルには、大きく分けて3つのパターンがあります。掲載課金と成果課金、そして応募課金です。
以前、じげんの記事を書いたときには、その視点がうっかり抜けていて、結論を誤ってしまいました。
じげんの求人メディアでは、掲載課金と成果課金と応募課金がメディアごとにそれぞれ設定されています。人材不足が大きく騒がれていた当時、特に収益を上げていたのは掲載課金をメインにした企業でした。
掲載課金の場合、人材を採用できなくても、決まった期間掲載さえすればその間の売上が立つことになります。また、応募課金の場合は応募さえされれば売上が立ちます。しかし、成果課金の場合、実際に人材を採用できなければ、どれだけ掲載していても売上につながりません。
そのため、わたしは「このまま人材不足が長引けば、企業の求人広告の予算は掲載課金から応募課金、成果課金へスライドしていくだろう」と予想していました。
こういった点で全網羅して設定しているじげんは優秀なのですが、なかなか再評価されませんねw
そしてようやく…本題です。求人広告を収益源としている企業について、そのビジネスモデルの比率をまとめてみたいと思います。
その1.じげん(3679)
じげんの売上の約7割を求人広告が占めています。そのうちの比率は不明なものの、先にも書いたように、掲載課金、応募課金、採用課金のすべてを網羅しており、求人市場がどんな環境であっても収益にばらつきがでないように配置されています。
特需が受けられない一方で、求人市場がどのように変化しても収益にばらつきがでないよう計算されている点が評価できます。
今後も引き続き順調な成長をしていくので、次にここが評価されるのはM&Aとかになるのかなあ…。
その2.クックビズ(6558)
前回の好決算を期に注目が集まったクックビズは、飲食店関係の求人を専門に扱っています。求人広告は全収益の約3分の1程度となっています。
こちらの場合、人材紹介は広告ではないものの、企業の予算枠としては同じなので3分の2の収益も成果報酬に入ると考えて良いと思われます。
ここの求人広告は少し特殊で、人材募集だけに限らず、その後の求人状況の管理システムを含めた月額80,000円のサブスクリプション型。そしてそのビジネスモデルに注目が集まっています。
しかし、このモデルはまだ前回決算で発表されたばかりのため、ここでは以前のモデルを確認すると、掲載課金であったようです。
「クックビズダイレクト“プラス”」と書かせていただいているように、スカウトをするだけではなく、選考管理をしたり、選考の進捗をダッシュボードやレポートで確認して次の施策を考えていただいたりと、求人管理のようなさまざまな機能を加えており、それを毎月定額で使っていただけます。今はキャンペーン期間中で、年間契約をいただいた企業さまは月額80,000円でご利用いただくことができ、非常に好評をいただいております。
年間契約のキャンペーン価格なんですね。良いタイミングで定額制に切り替えた、という印象です。
最近、定額制の登録者数が月100社程度のペースで増えているという発表がありました。決算時点で売上を概算すると、7月までの3ヶ月で売上4,800万円程度ということになります。今回の決算に乗るのは、2ヶ月目からの7,920万円くらい(3Qまでの通期で8,800万円でセグメント売上の10%強へ)…。
QonQで32%の伸びですが、前Q比で▲1%と、その影響力はまだよくわからないと言わざるをえません。もう少し様子見、そしてキャンペーン後はどのように運用していくことになるのでしょうか。
あんがい文字数が膨らんできたので、まだ2社ですが一旦ここで切りたいと思います。続きはディップ、イオレ、エン・ジャパンあたりかな…ほかはこれまで縁がないので、おすすめの銘柄や希望があればコメント欄などで教えてくださいね!
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