今日は、ログミーさん主催のIRイベントに参加してきました。
そこで最近ずっと考えていた、「今回の決算でやたらとアパレルが好調なのはなぜ?」という疑問の答えのようなものに出会ったので、そのことについて書いてみたいと思います。
まず、最近注目のアパレル銘柄といえばワークマン(7564)です。こちらは、低価格の作業着を流行のアウトドアに発展させた戦略が功奏しました。いろいろ語りそうになりますが、関係ないのに長くなるので、一旦ここでやめておきます。
また直近では、ハニーズ(2792)も絶好調です。まったく調べてないのでさらっと触れると、たぶん、しまむら(8227)が以前一世を風靡したように、低価格で流行を抑えたラインアップで、デフレ日本にマッチしたのではないでしょうか(憶測ですが、状況的に納得できる範疇です)。
ワークマンのように変化する企業が引き続き伸びるのは、まだ変化の途中だと思えば普通のこと。そしてハニーズのように、時流にあった企業が伸びるのも当たり前。その後のアダストリア(2685)の決算発表までは、アパレル企業の好調をそのように個別に評していたのです。
え、アダストリアも好決算なの?なんで?
みんなの給料は増えていないのに、急に服を買う余裕がでてきたの?いや、さすがにそれはないでしょ…「テーマのお日柄」という意見もありましたが、どうしても理屈を通したいわたしには納得できません。
まあ、理由がわかったいま、たしかに、これはこれで正しいと言えるのですが、間の理解を抜きには納得できない性分なのです。
TSIホールディングスは、8年前にサンエー・インターナショナルと東京スタイルが合併してできたアパレル企業です。サンエー・インターナショナルさんは昔のお仕事で大変お世話になったのですが、名前が変わっていたことは今日初めて知りました!
数年前から、好きなブランドが買収されて変化したり、解体されて消えて無くなってしまったりするうちにすっかりファッション離れが進んでしまい…。
ファッション誌編集時代になじみの深かったストリートブランドの代表格、ステューシーが最近ハイブランドとして再び人気だなあとか。某2番手のファッションECモールでナノ・ユニバースが爆売れしている。といった、断片的な知識しかありません。
しかしこの買収、解体がこの疑問を解決するヒントでもあったのです。
こちらのグラフを見てもわかるとおり、2014年は売上が大きいにもかかわらず、利益はマイナスになっています。
セールに頼り、セール価格を見越して安く作り、結果、大量の在庫を抱えて利益を出せなくなったアパレル業界。その波に飲み込まれ、わたしの好きなマニアックなブランドも消えていったと思われます…。
この状況を脱するため、TSIHDでは不採算・準不採算の店舗とブランドを撤退。根強いファンに愛され、値引きをしなくても売れるブランドを育てる方針に舵を切っていきました。
そして現在では、アドーアやナノ・ユニバースなど多くのブランドで、セールに頼らないビジネスモデルに転換できているとのこと。
また、今後はM&Aなども検討しながら、ファッションECの新しいスタイルにも挑戦していくという頼もしいお話でした。
この詳細については、こちらに詳細がありました。
今期の業績については、M&Aなんかも関係しているようですね。ほかにも、ファッション物流などへの斬新な取り組みなども興味深かったです。その辺りのハナシはまたのタイムリーな機会に。
今日は、TSIHD社長のお話しから、最近の疑問が解決してすっきりー!ということで閉めとさせていただきます。